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Trip - Hong Kong

Hong Kong

映画監督エリック・コットとの出会いが私の人生を大きく変えた。
彼と出会った瞬間から全てが衝撃的で魅力的で、繰り返される日常にうんざりし刺激に飢えていた思春期の私は、何の迷いもなく高校を中退し、誘われるがままに16歳で単身香港に渡り、住む事にした。
子供の頃からよく外国には行ってたものの、本格的に住むのは初めて。
言葉も分からない。
家族も友達もいないし知ってる人が誰もいない。
正真正銘の一人ぼっち。勢いで行ったものの、ホームシックは相当なものだった。
しかしメソメソしてる暇はなかった。
今でこそネットラジオというのはポピュラーなものになったが、1999年当時は世界でも先駆的なネットラジオのチャンネル3by8.comの立ち上げメンバーの一人だったから毎日寝る暇もないくらい忙しかった。
ラジオで喋るなんて私には無理だと思っていたしDJなんて以ての外だと思っていたのに、とにかくエリックと仕事がしたい一心で私は香港に行ったのだ。
とにかく彼に付いて行くので必死だった。
タワーレコードに連れて行かれ、好きなだけCDを選んでこいと言われ、両手いっぱいに15枚程のアルバムを抱えてきた私に対して、エリックはCDがいっぱいいっぱいに入った買い物かご2個分。
君そんだけか?もっと選んできなさいと、何時間もかけて買い物かごを満たす量のCDを選んだのを鮮明に覚えてる。
音楽のセレクトの次はミュージックフロー、話す内容、そして機械の操作。
そう、何から何まで全てを一人で出来なければならなかった。
番組は一人3、4時間振り当てられたが、私はアメリカやカナダのリスナーが多い深夜帯の番組を担当していたので、5時間喋りっぱなしの日もあった。
また、今で言うskypeやtwitterのようなリアルタイムのチャットボードでリスナーからのリクエストを受け付けたり、レスポンスしたり、チャットしながらだったので、番組中は一瞬たりとも気が抜けない。
一人で曲かけて、機械操作して、喋って、リスナーとリアルタイムでチャットして、ってそんな番組そうそう無いんじゃないかな。
休みは週一。
しかし、休みの日も色んな音楽を聞いてセレクトしたり、番組の構成を作ったりと、結局いつもオフィスに入り浸っていた。
気づけば気の合う仲間も沢山できて、なんだかんだ楽しかった。
帰国してからもいくつかラジオ番組を持たせて頂いたが、3by8当時に比べると日本でのラジオの仕事は天国のようだった。
思えば相当スパルタだったが、仕事の仕方も、時間の使い方も、ものの考え方も、今の私を形成している大部分は香港で培ったものだと思う。
その頃の仲間は今でもちゃんと繋がってるし、私が香港に行く度にみんな集まってくれる。
本当に大切な仲間達や色んな事を教えてくれたエリックと出逢えた事、人生において貴重な経験をさせてもらった事、本当に感謝してる。
そしてあの頃の感覚のまま、私はエキサイティングな人生を追い求め続けるのであります。


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