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17 November 2013

リミッター解除

生きてきた年数以上に多くの事を経験してきたつもりでいたから、
もう大抵の事ではビビらないだろうと思っていた。

しかし、私の経験値なんて鼻くそみたいなもんだと判明した。

きっと、一生かかっても知らない事ばかりで、
結局は、未知の世界に生まれ、未知の世界で死んでいくんだろう。

つまり、一生謙虚であれ、ということなんだろう。

 

先日久しぶりに、新しい事、初めての事、に挑戦した。
結果、私はケチョンケチョンに自分の弱さを見せつけられた。

 

水中撮影。
最近、好きが高じて、水中撮影をする機会に恵まれている。
基本は、水着とマスクとフィンだけの素潜りスタイル。
課題はまだまだ沢山あるものの、素潜り撮影に関しては割と気持ちに余裕が持てるようになってきた。

 

今回初挑戦したのは、マスクなし、フィンなし、何も無い状態の水中撮影。
陸上と同じように、メイクして、ドレス着て、撮影。
ただし、水中。
前も見えなければ、シャッター音も聞こえない。
完全未知の世界。

やるまでは、ぶっちゃけ安易に考えてた。
海底に酸素ボンベ用意してもらってるから、苦しくなったら吸えばいいし、
マスクは無いけど、それでも素潜りよりは楽だろうと思ってた。

 

今季最低気温のその日、裸にシフォン一枚だけのドレス。
船上では風が強く、時折雨が降る。
そしていざ入水。

アシスタントのオクトパスを咥え、
顔にマスクをあてて、潜行。
自力で潜れない為、アシスタントに沈めてもらう。
この時点で全てが初体験で、既に心臓ドキドキ度MAX近かった。
アシスタントのオクトパスは真っ赤な口紅でぐちゃぐちゃ。

ようやく辿り着いた海底は水深約8M。
いつもの見慣れた光景だ。

呼吸が整ったところで、マスクを外す。

 

その瞬間、私はパニック症状を起こしてしまいました。

オクトパスで呼吸はできてるものの、
今まで見えてた世界が一気に見えなくなった恐怖感で、
私の心臓ドキドキ度はMAXを超えてしまい、
不覚にも、浮上してしまった。

 

今だから言えるけど、その時は本当に、もう無理かも、って思った。
みんなに申し訳ないけど、本当に無理だと思った。
撮影続行できる自信が全くなかった。

そんな私をずっと隣で支えてくれて、
呼吸と気持ちが落ち着くのをジッと待ってくれて、
恐怖感を和らげてくれたアシスタントに感謝。

 

しばらくして再潜行。
どうにかマスクを外して、
オクトパスも外して、
撮影開始する事ができた。

撮影中も何度か恐怖感に襲われた。

しかし恐怖感というのは、あり地獄のようにどんどん落ちて行くもので、
一刻も早くそこから抜け出さないとまたパニックを起こしてしまう・・
だから私は極力心を鎮めて、怖くない怖くないと自己暗示をかけてた。

 

呼吸ができないことよりも、
目が見えないことの方がこんなにも辛いとは。

周りの状況が見えない。
待ち時間が分からない。
指示が見えない。
コミュニケーションがとれない。
体の震えが止まらないほど寒い。

そんなストレスフルな環境での撮影。

どちらかといえば、肉体的な辛さよりも、精神的な辛さの方が遥かに大きかった。
かなりメンタルを鍛えられた。
修行の様だ。

 

諦める事は簡単である。
全ては自分次第。

そうやって限界をどんどん超えて人間は成長していくんだろう。
そう思うと限界なんてそもそも無いんじゃないかとさえ思えてくる。

どんな時でも、どんな事でも、その時やれる事をやりきり、出せる力を出しきる。
そうすれば、結果がどうであれ、少なくとも後悔することはないんじゃないかな。

 

渾身の処女作、公開するのが待ち遠しい。

もう既に次の作戦会議が始まっている。
ワクワクが止まらない。

 

一生新しい事に挑戦し続ける。
そして日々を命がけで生きる。

 

 

Glad to be alive.

 


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普通とは何ぞや。私の思想、好きな物、趣味、行動と、性別、年齢、職業がリンクしないらしく、昔からよく普通じゃないと言われる。綺麗にドレスアップして軽トラでパーティーへ出掛けることも、パジャマのままオープンカーに飛び乗りスーパーへ買い物行くことも、運転が難しい旧車に乗ることもバイクに乗ることも、午前中はカメラの前で仕事して午後は漁港で海人のおじさん達に混じって酒を飲むことも、ぐちゃぐちゃに汚くなって海で遊ぶことも、血まみれ傷だらけになりながらサーフィンすることも、Tシャツ短パンぞうりに大きなバックパック一つでビジネスクラスに乗ることも、今日は五つ星ホテル明日は一泊500円の安宿でに泊まることも、一人で旅をすることも、全てやりたいこと、好きなことをやってるだけ。

一般的に言われるいわゆる普通である必要も、人々が勝手に作り出した枠にはまる必要もない。こんな生き方してればそりゃ妬みやっかみは免れないけど、これは別に私が特別な才能を持ってるわけでも、人よりお金を持ってるわけでもない。ただ欲張りで、好奇心旺盛で、生きてる間に自分がやりたい事に貪欲なだけである。人生一度きりだから。

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